帰り荷運賃ってどういう事?安く走れる理由。

高速道路を走る車

お客様からよく言われることがある。
「この荷物、帰り荷で運んでもらえるかな?」
はい、喜んで・・・・・・とは言えない事もあるんです。

確かに帰り荷を活用すると通常運賃の60%から70%で提供できるのですが、帰り荷が取りにくい、または取れない事もある。

「帰り荷がとれますか?」
「条件によります。」ってことになる。

  1. 帰り荷とは
  2. 帰り荷が取れない3つの理由
  3. お得に使いこなすポイント
目次

帰り荷とは?

運送会社は自社のある地域を中心に荷物を取り扱っています。帰り荷の内容

弊社であれば神奈川県海老名市が中心になり、その近辺からその他の地域に配送します。
近いエリア(神奈川県内や神奈川県から近隣の県)であれば、会社に戻って次の仕事をします。
しかし、関西とか、中国地方などの遠方地まで行くと、すぐに戻れないし、空で帰るとコストだけかかってしまいます。ガソリン代とか高速代とか・・・・諸々載ってきます。

だから、通常の価格よりも安くても、大阪から神奈川付近に戻る仕事があれば、空で帰るよりましになるんですよね。これが帰り荷が安い理由です。

全国に拠点がある大手さんなどは運航便を組んだり、その方面へ行く荷物を調整して対応するのですが、中小企業では、そんな拠点もあるわけでないので、協力会社などと提携して仕事を融通したりするわけです。

帰り便がとれる = 横のつながりが強い

とも言えたりするわけです。

帰り荷が取れない3つの理由

運送費も安くなるなら、どんどん利用したい帰り荷ですが、残念なことに活用できない事もあります。

距離が近い

帰り荷を運賃が下がっても運行する理由は、コストです。行ったら帰ってこなくてはいけないので、帰りのコストが高くつく。
高速料金やガソリン代、タイヤの摩耗分などなど車両に関わる事から、人件費など色んなコストがかかってきます。

これを少しでも削減したいわけですが、それを削減するよりも次の仕事を早くして利益を上げた方が徳な場合があります。
それだけ早く帰ることができる距離にいる場合です。
距離が近すぎると下手に帰り荷を待って残業を増やすよりも戻ってきた方がお得なってしまいます。

業者がいない

帰り荷がとりやすくて、帰り荷の中でも単価が安いのが東名沿線です。
関東から大阪または名古屋は物流の大動脈だけにそれだけ多くの荷物が動いています。
荷物が動いているという事は、それだけトラックも走っているわけで供給がたくさんあります。

その逆にトラックが走っていない地域や普段から荷物の往来が多くない地域では業者が少なくなります。

また、物流量が不均衡だと帰り荷が取りにくくなります。
例えば、東京から大阪までの物量が100としたときに、その逆の大阪から東京が10だとすると
大阪にはたくさんのトラックが行きますが、東京にはトラックが少なくなり、大阪行きの帰り荷がとりにくくなります。
この場合、東京行きは物凄く取りやすくなります。

主要な工業地帯や大都市を結ぶ高速道路の周辺では基本的な物流量が多いのでたくさんのトラックが稼働しているために
帰り荷も比較的取れますが、そこから外れるとだんだん厳しくなります。

条件が厳しい

帰り荷は基本的には戻る便を有効利用したいという運送会社の思惑と、安く運びたいという荷主の思惑が
合致したために生まれました。そのため運送会社としては条件が悪くなるほどメリットがなくなるわけです。

特急便なんてのはその最たる例です。
荷物が出来ているから、今日中に届けてほしいなどといった要望はまさにその典型です。
大阪まで長距離ではしると、拘束時間や一日の労働時間の問題など労働基準の問題が発生します。
一日の労働時間に上限がありため、休憩を入れないと走れないんですよね。

また必要な機材もあります。通常使っている装備品で対応できるのなら良いのですが、
普段使わないものが指定にあると荷物の固定が出来ないために、運搬することが出来なくなります。

お得に使いこなすポイント

帰り荷を使いこなすには、取れない理由の反対にすれば良いので、主要路線沿いにあり、ある程度遠方な荷物で
納品にかかる条件が低いほど安く使えます。標準仕様の車で積めて特別な知識がなく、特別な荷締め具がなくても
積める荷姿であると、スムーズに便を用意することが出来ます。

また主要路線からずれている場合であれば、主要路線までの運賃は帰り荷単価として、そこから目的地までは
立ち便単価として提示するなど、単純に立ち便単価の7割などの機械的に決めない事が肝心です。

この記事を書いた人

目次